山麓に咲く野草たち [植物]

山裾に咲くありふれた野草達です。
地味であまり注目されないのだけど、時々”はっとする美しい姿”を見せてくれたりします。

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ツリガネニンジン

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ソバナ

どちらの花も”地味で、控えめで”それでいて上品な感じ
こんな花をもっと魅惑的に写せたらな~

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この数年の間に山道でも普通に見られるようになったクガイソウ
スキー場上部には群生している場所が何箇所かあって、初めてこのクガイソウを見たとき
この世のものとは思えない美しさに”驚き感動し”息さえする事が出来ませんでした。
でも
”風にそよぐ花穂”の圧倒的な妖力は群生していて初めて感じるのですね。
涼風が吹きぬける視界をさえぎるもののない開けた草原で咲いているからこそ感じるものですね。
山道で見るクガイソウも充分美しいのだけれど・・・

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ホタルブクロ(蛍袋)

いい名だね~
こういう遊び心があってイメージが広がるような俗名は好きですね。
こういう俗名の総体の形というのが一つの文化の特色を彩っていて興味は尽きません。

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弟切草?

スキー場上部に繋がる山道で見た花です。
初めて見た花だったのにもう一つ写欲がわかずぞんざいに撮ってしまいました。
帰って調べると、オトギリソウ(弟切草)のようです、
これはまた物騒な名前の草ですね。

>この草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も「怨み」「秘密」と縁起が悪い。

ウィキペディアにはこう書かれていました。
ありゃー、そうならもっとじっくり観察すればよかった。

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バンビゲレンデに咲く小鬼百合

ここは以前小鬼百合が群生していたのが、ある年の秋、猪の集団に根こそぎ掘り起こされ食べられてしまい
今は細々と生き残りが増殖中
野生を生きるというのは動物も植物も昆虫も大変ですね

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ツルニンジン(ジイソブ)

これまたジイソブという名を持った植物です。
ジイは”爺”のことでソブは木曾方言で”そばかす”のことだそうです。

爺さんの”そばかす”

これまた面白い呼び名ですね。

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この草は林の中でよく見かけるのですが、名前がわかりません。
ハバヤマボクチかオヤマボクチと思うのですが
ボクチはホクチ、火口から来ていて火付けに使われたようですね。

吊舟草 [植物]

毎年夏になるとツリフネソウ(吊船草)を見たくなります。
湿気の多い日陰の場所に多いのですが、毎年必ず同じ場所に咲いているという訳ではありません。
ある場所に生え出すと年々勢力を拡大していくのですが、突然姿を消したりもします。
原因は、害虫の大量発生であったり、自然災害で土砂が削られたり、あるいは人間に刈り取られたり、であったりします。
僕は初めてキツリフネソウを見つけてから毎年この花を見続けてきました。
この数年はどちらかというと数を減らしてきたのですが、今年は意外な場所で群生していました。
間伐されて日が差し込むようになった湿気の多い場所です。
この近くで(キ)ツリフネソウが生えていたのは30~40m先の道路わきの斜面。
ツリフネソウは100mも先の渓谷へ下る斜面です。
どうしてこんな所に突然生え出したのでしょう?
しかも大量に・・・・
ツリフネソウはホウセンカと同じように、種を自ら”弾き飛ばしてばらまく”と書いてあるのを見たのですが、それだけの説明では釈然としません。
僕の知らない近くの場所で咲いていてその種が飛んできたのでしょうか?
野草の種族保存のメカニズムを誰か教えてください!

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吊舟草です。
ここでは黄吊舟草と隣りあわせでそれぞれ集団を組んでいました。

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黄吊舟草

こちらの方が花茎が長く、たたずまいが涼しげで僕は好きです。
ただ写真に撮るとなると風に揺れて・・・

今回はタムロン90mmマクロでは撮りませんでした。
天気が悪く暗いのもあるのですが、山野草の撮影では背景を完全にぼかさずある程度の環境情報が入っている写真の方が好きなせいもあります。
撮影レンズはシグマ50mmF2.8マクロとトキナー10-17mm魚眼ズームです。
特に最近はトキナー10-17mm魚眼ズームの頻度が高くお気に入りのレンズです。

藪原宿 春の野草 [植物]

このところ何処へも撮影にいけません。
今日は在庫からGWに撮ったものです。

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キケマン

”この花を初めて見た。”というより気づいたのはもう7年も前のことです。
魚入らず川の河岸の砂地に群生していたのを見たのが最初です。
花の少い時期であっただけに、その美しさに感動しアレグレットM70で撮りまくりました。
翌年も狙ったのですが、秋の大雨で川相はすっかり変わり河岸はえぐりとられ、人が入り込む余地はありませんでした。
その後も毎年のようにキケマンを探していたのですが、チラホラ咲いているものは見るものの群生しているものを見つけることができませんでした。
今回は薮原で見つけました。
写真は近くの石垣に生えていたものです。

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春の野草としてあまりにも有名なニリンソウです。
5~6月に上高地に行けばニリンソウの大群落を見ることが出来ます。
僕の好きな野草なのですが、これまで写真に撮ったことがありません。
二リンソウとの出会いは僕が山登りをしていた時期で、今考えてみれば森林限界を超えるまであまりカメラを取り出した記憶がありません。
最近このニリンソウを見たのは木曽の”寝覚の床”でですがこのときカメラは車に置いたままでした。

藪原宿ではどうしても関心は町並みや建物にいってしまい今回もマクロレンズは用意していませんでした。
残念!

NikonD300s + AF Nikkor 35~135mm

山里の遅い春の花 [植物]

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5月の1日というのに春の野草には雪が・・・
ツクシとフキノトウ以外の野草は見当たりません。
でもこの日から晴天が続きました。しかもまるで夏のような気温です。
高原でも連日気温が20度C 近くまで上がりました。

すると突然いろんな野草が芽を出しつぼみをつけ始めました、なかには花を咲かせる野草もあります。
野草の生長の速度はこんなにも速いのかと驚きました。

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蕗の薹 この草はてんぷらにすると美味しいんです。チョットクセのある苦味がビールや日本酒に良く合います。
タラの芽は全然だったので連休中は酒の肴に食べました。

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シュウジョウバカマ
1日には見つからなかったのに3日には花がついた状態で見つけました。
この数年はこの花を見ると春の訪れを感じます。

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僕の一番好きな春の花がこのミヤマエンレイソウです。
今回は花を見るのを諦めていたのですが、5日になってようやく少し白い花びらを見せてくれました。

この高原ではエンレイソウは珍しい存在です。
森の湿った場所に自生している場所があります。

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例年ミヤマエンレイソウよりも少し遅れて花開くこの高原のエンレイソウですが、今年は少し早いようです。
今年は花に飢えているせいでしょうか
今まであまり気に留めていなかったエンレイソウですが
大好きになってしまいました。  

春の河川敷 [植物]

この季節の河川敷はカラシナの花が土手を彩っていてとても美しいです。
でも近年はかっての様な勢いがありません。

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食べると美味しいのでしょうか?
この草の新芽を採っている人が結構多いようです。
野草を食べるのは大好きな僕ですが食欲より”この綺麗な花”を荒らしたくないという想いの方が強いので、新芽を摘むのは遠慮しちゃってます。
それに野鳥たちがこの花に止ると”ホント”絵になりますねん。

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レンズはタムロン90mmF2.8マクロで花撮り体勢だったのですが、土鳩が飛んできました。
”これなら僕でも!”・・・・と飛翔写真を撮ってみました。
それにしてもこのレンズAFが遅いです。

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姫オドリコソウ
近年急速に増えた気がします。帰化植物でしょうか

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ホトケノザ
アップで見るとなかなか可愛いですね。

NikonD300s + タムロン90mmF2.8マクロ 

春の背割提 [植物]

今日は背割提に行って来ました。
桜の花を口にくわえたニュウナイスズメを撮るのが目的だったのですが・・・・
枝被り・・・枝被り・・・ピンボケ・・・ピンボケ
証拠写真しか撮れませんでした。
腕の未熟さは置いておいて、負け惜しみを言うとNikon D300sをメインカメラにするようになって”撮り急ぎ”が多いのです。
ファインダーが見やすくシャッタレリーズタイムが短く、てきぱきと動いてくれる為、一つ一つの動作が速くなってしまいます。
OLYMPUS E410の場合はじっくりとピントを合わせ、満を持してシャッターを押します。けして無駄なシャッターは切らないし、思う場所に鳥さんが来たときだけシャッターを切るのですが、D300sではシャッターを切るのが楽しくて、楽しくて・・・・。
とにかくシャッターを切りたくなります
麻薬的というか、官能的な魅力があって僕は現在中毒状態です。

さて背割提は桜が7~8分咲き
格好のお花見日和

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桜も好いですが・・・・
春の野草も咲いていました。

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踊子草

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ムラサキケマン

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花の名はわかりません

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ナズナ

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蜘蛛を捕まえたメジロ

メジロの写真だけアップします。

植物の写真はトキナー魚眼ズーム10-17mm使用

信州奈川高原 初秋の山野草   [植物]

奈川高原の秋の花の代表的な物に梅鉢草があります。
今年はいたるところで咲いていました。

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可憐で清楚な感じがして好きです。

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拡大してみると雌しべや雄しべの形や配列が面白いです。

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あまりに素敵な花だったので朝露に濡れる花も撮って来ました。

でも秋の花で一番多かったのはアキノキリンソウです。

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僕が撮ったときは風で花が揺れピントが合っていたのはこの一枚だけでした。
好きな花だったらピントをチェックするのに、いつでも写せる花だと思うと扱いが”ぞんざい”になってしまいます。
でもこうして見ると結構いけてる花ですね。

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ゴマナ

逆光に光るその姿の美しさに思わずシャッターを切りました。
野草を探す楽しさは、普段何気ない物と思っていたものが”光り輝いて見える瞬間に出会える”からでしょう。

周りを見るとシラヤマ菊が同じように輝いていました。

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奈川高原 野麦峠スキー場に咲く花 [植物]

スキー場の麓からゆっくり歩いて1時間半。
上部ゲレンデに着きます。
ここをベースに峰の原ゲレンデやチャンピオンコースを歩き回るのが夏の休暇の過ごし方です。
写真より歩く事に興味を持っていた頃は更にスキー場最上部まで登り、360度広がる景色を見ながら弁当を食べるのを楽しみにしていました。
今は野草や昆虫を求めてこっちのゲレンデあっちのゲレンデと歩き回っているので、最上部まで行く時間がありません。

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下部ゲレンデ 立て水の坂 付近から見る景色

ここで最大の見物はなんといってもクガイソウです。
以前は群生している場所は一箇所だけだったのに年々数を増やし、今年はいたるところで群生していました。
興味深い事は群生している集団ごとに、花の色、咲き方etc.に違いがあることです。

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初めてこの花を見たときは感激しました。
これはその時と同じ場所に咲いていて同じ姿をしています。

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別の集団。花の色も違います。

この場所の近く峰の原ゲレンデでは以前上部はヤナギラン下部は丸葉岳蕗が群生していました。
その後ヤナギランは姿を消してしまい、がっかりしました。
ところが去年、再び姿を見せてくれました。
今年は・・・・。期待に胸弾ませ来たのだけれど・・・。
残念ながら姿はありません。
一方丸葉岳蕗はかってないほど勢力を広げたようです。・・・が
株数や勢力圏の面積は広がったもののイタドリも同じ場所に占拠しています。
例年は”ぶりっと、ごつ苦しい”丸葉岳蕗の花に勢いがありません。
イタドリとの争いで消耗しているようです。
来年が思いやられます。
このゲレンデも、本当にイタドリが勢力を伸ばしてきました。

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夏の奈川高原の花で僕が一番好きなのは、実はこの丸葉岳蕗です。
”趣味悪う~”と妻に葉よく言われるのですが好きな物は好きです。
高山植物でも多くの人はコマクサとかを挙げるのですが、僕はコバイケイソウが一番好きです。
どうやら僕は”ごつくるしい”あまり上品に見えないものが好きなようです。

信州奈川高原 夏の野草  2 [植物]

昨日に続いて山裾に咲く花たちです。

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キンミズヒキ

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ツリガネニンジン

よく咲いている花ですが写真にするのは難しいです。
ツリガネニンジンのニンジンの由来は根が朝鮮人参に似ている所から来ているとか。
僕は根を見た事はありません。

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ボタンヅル
初めて見たときは、その美しさに目を見張ったものですが、その後どこででも見かけるようになりました。
この花とそっくりな花に仙人草があります。葉の形状が違うだけです。
先日淀川河川敷で見ました。

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黄ツリフネソウ
僕が山野草の写真を撮るきっかけは春にミヤマエンレイソウ、そして夏に黄ツリフネソウを見かけたからです。
毎年夏になると楽しみにしているのですが、この夏は今までに無いほど勢力を減らしていました。
風に揺られ涼しげに咲くこの花、来年は勢いを取り戻すのでしょうか?

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キキョウ
キキョウもその数を減らした代表的な野草です。
その代わりペンションや別荘の庭先に園芸種の多花のキキョウを見かけるようになりました。
でも日本の風土には野生のキキョウが似合うと思うのは僕だけでしょうか

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ヤナギラン
スキー場の峰の原ゲレンデのヤナギランは今年は絶滅していました。
例年麓にもヤナギランが咲いている場所があり、この写真もそこで撮ったのですが、かって峰の原ゲレンデでヤナギランの大群落を見た目からすると物足りません。

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ヤブカンゾウ
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犬ゴマ
これらの花を見ると田舎に来たという実感がわきます。

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イチゴなのですがよく分かりません。ノウゴウイチゴと花は似ているのですが葉が違うような
道端に生えている綺麗な花です。

信州奈川高原 夏の野草  1 [植物]

今日は野麦峠スキー場の下部周辺に咲いた野草です。
今年は咲いていた花の種類も量も少なくがっかりしました。

その中で例年以上に勢力を広げ咲いていたのがオカトラノオです。


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草ボタンもわりと咲いていました。
僕はこの花の名前がよく覚えられません。

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ヤマオダマキはあっちこっちで咲いていた花ですが、本当に少なくなりました。

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ツリフネソウは大好きな花でピンク・白・黄と三色の種類がここで見られたのですがこの数年は激減しました。

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いちばん驚いたのは雑草かと思う程いたるところで咲いていたソバナが減った事です。
自然環境の変化で当たり前に咲いていた花もいつか貴重種になってしまうのでしょうか?

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花が少ないと
いつもは見向きもしなかったヌスビトハギもいとおしく思われます。

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