山岳遭難に思う [その他]
このところ忙しくブログの更新も出来ません。
それどころか写真撮影にも行けません。
こういう時はいつも”山を想う”事によって精神の安定が図られるのですが、このところの相次ぐ山岳遭難に気分が滅入ってる状態です。
登山を止めたとはいえ山への想いはなお強い僕です。
今年、関心を持った遭難はゴールデンウィークに起こった京都府立大山岳部の後立山鳴沢岳(2641m)での遭難、そして今回の大雪山での中高年登山者の大量遭難です。
京都府立大学は学生数の少ない大学なのに山岳部が今なお存在しています。
多くの大学では、入部者がいないため山岳部は廃部の道を辿ったというのに・・・
僕の母校も、とっくに学士山岳部は消滅しOB会があるだけです。
それだけに今回の遭難はある意味ショックでした。
遭難そのものは悪天候下での無理な行動が招いた事故と総括されるのでしょう。
悪天候での日本アルプスでの山岳遭難の典型的パターン”二つ玉低気圧”下で起こりました。
何故そんな状況下で山行を強行したか。
彼らの為に敢えて弁解すれば、山登りにおいて登山者は”自然の平穏な部分”とだけ選択的に付き合うという訳にはいかない。
山登り→アルピニズムは、単に山頂に立つ事だけを目的とした行為ではなく”計画立案~下山”までのをプロセスを言い、同時により困難な状況下で山に登り無事下山することを目的とした行為である以上、悪天下での登山を経験する事は絶対に必要です。
僕は鳴沢岳には登った事がない(夏に近くの針の木岳に登っただけ)が、パーティーのリーダーの登山経験と力量から見ればこのような経験をするに適当な山域だったのかもしれない。
遭難は3名のメンバーが、そう離れていない距離で、それぞれバラバラの状態で死んでいるのが発見された。
死体の状況から、ビバーク地点からの幻覚錯乱による飛び出し凍死ではなく、行動中にメンバーがバラバラに分かれ立ち往生してしまったようだ。
恐らく遭難地点付近でホワイトアウトの状況に陥り、対処の相談もできないままチリジリになってしまったのだろう。
ホワイトアウト
経験した事のない者には想像も出来ないだろう。
僕は学生時代、厳冬の白馬岳で経験した事がある。
猛烈な風と雪と霧
目の前数十cmにいるメンバーの姿は見えない、大声で叫んでも風の轟音に消されてしまう。
立ち止まればたちまち体は冷え切ってしまう。
幸い僕たちは風が緩み視界が僅かに開けた瞬間にツエルトを被り、その中で暖かい物を飲み今後の行動についてメンバーで確認しあうことができた。
その後、安全な場所で雪洞を掘り、天候が回復するまでそこで4泊した。
ホワイトアウトの状況の恐ろしさ、”周りは何も見えない、自分の体さえ見えない。凄まじい風の轟音。凍て付く寒さ”
僕たちの場合は、一瞬緩む瞬間があった、府立大の場合はその時にはバラバラになっていたのであろう。
それではアンザイレンしておけば良かったのであろうが、府立大の遭難はGWという時期
経験者ゆえにそこまで考えていなかったのだろうか。
自然の状況は刻々と変わるもの、過去の経験の過大評価が判断を曇らせたのだろう。
京都府立大学山岳部の遭難者に心から哀悼の気持ちを捧げたい・・・・。
それどころか写真撮影にも行けません。
こういう時はいつも”山を想う”事によって精神の安定が図られるのですが、このところの相次ぐ山岳遭難に気分が滅入ってる状態です。
登山を止めたとはいえ山への想いはなお強い僕です。
今年、関心を持った遭難はゴールデンウィークに起こった京都府立大山岳部の後立山鳴沢岳(2641m)での遭難、そして今回の大雪山での中高年登山者の大量遭難です。
京都府立大学は学生数の少ない大学なのに山岳部が今なお存在しています。
多くの大学では、入部者がいないため山岳部は廃部の道を辿ったというのに・・・
僕の母校も、とっくに学士山岳部は消滅しOB会があるだけです。
それだけに今回の遭難はある意味ショックでした。
遭難そのものは悪天候下での無理な行動が招いた事故と総括されるのでしょう。
悪天候での日本アルプスでの山岳遭難の典型的パターン”二つ玉低気圧”下で起こりました。
何故そんな状況下で山行を強行したか。
彼らの為に敢えて弁解すれば、山登りにおいて登山者は”自然の平穏な部分”とだけ選択的に付き合うという訳にはいかない。
山登り→アルピニズムは、単に山頂に立つ事だけを目的とした行為ではなく”計画立案~下山”までのをプロセスを言い、同時により困難な状況下で山に登り無事下山することを目的とした行為である以上、悪天下での登山を経験する事は絶対に必要です。
僕は鳴沢岳には登った事がない(夏に近くの針の木岳に登っただけ)が、パーティーのリーダーの登山経験と力量から見ればこのような経験をするに適当な山域だったのかもしれない。
遭難は3名のメンバーが、そう離れていない距離で、それぞれバラバラの状態で死んでいるのが発見された。
死体の状況から、ビバーク地点からの幻覚錯乱による飛び出し凍死ではなく、行動中にメンバーがバラバラに分かれ立ち往生してしまったようだ。
恐らく遭難地点付近でホワイトアウトの状況に陥り、対処の相談もできないままチリジリになってしまったのだろう。
ホワイトアウト
経験した事のない者には想像も出来ないだろう。
僕は学生時代、厳冬の白馬岳で経験した事がある。
猛烈な風と雪と霧
目の前数十cmにいるメンバーの姿は見えない、大声で叫んでも風の轟音に消されてしまう。
立ち止まればたちまち体は冷え切ってしまう。
幸い僕たちは風が緩み視界が僅かに開けた瞬間にツエルトを被り、その中で暖かい物を飲み今後の行動についてメンバーで確認しあうことができた。
その後、安全な場所で雪洞を掘り、天候が回復するまでそこで4泊した。
ホワイトアウトの状況の恐ろしさ、”周りは何も見えない、自分の体さえ見えない。凄まじい風の轟音。凍て付く寒さ”
僕たちの場合は、一瞬緩む瞬間があった、府立大の場合はその時にはバラバラになっていたのであろう。
それではアンザイレンしておけば良かったのであろうが、府立大の遭難はGWという時期
経験者ゆえにそこまで考えていなかったのだろうか。
自然の状況は刻々と変わるもの、過去の経験の過大評価が判断を曇らせたのだろう。
京都府立大学山岳部の遭難者に心から哀悼の気持ちを捧げたい・・・・。
2009-07-26 09:20
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夜啼猫さま こんにちは
暫く、更新が無いのでお忙しいのだなぁ・・・・と思っていました。
山岳遭難の記事、シッカリと読ませていただきました。私は山行きの経験が無いので、貴記事で何とか理解を深めたかなぁ、と思います。
先日行った戸隠のホテルは、北海道遭難のツアー会社と契約しているようで、遭難死した何人かは泊まった記憶があると、ホテルのオーナーが言ってました。
自然はやさしい時もあり、恐ろしい牙をむく時間もあるのですね。
自然のパワーの元では人間個々の力なんて無いに等しいのだろう。と思う
by イタセンパラ (2009-07-26 12:18)
こんばんは
コメント有難うございます。
このところ忙しく、休みの日もとれません。 (^^>”
山岳遭難では、僕は遭難者に対して基本的には冷淡です。
僕が若い頃、世論は遭難者に対してもっと厳しかったと思います。
現在は遭難者に対しマスコミ世論は妙に暖かいのは遭難者が圧倒的に中高年が多いせいでしょうか?
”深田久弥の日本百名山”にかぶれた”赤信号、みんなで渡れば怖くない!”世代の遭難には情けなくなります。
by 夜啼猫 (2009-07-28 23:30)