裏剣岳 山歩き その1 [山岳]

剱岳は 
僕が岩と雪に憧れていた時代
20~30歳にかけて
汗と涙と血を流した
山である。
その後、剣岳に一度も登ることはなく
登山そのものも長男が中学に入学した年に
槍ヶ岳を訪れて以来
止めてしまった。
剱岳への想いは、そのまま封印したままであった。
二年前、年齢的にも体力的にも剱岳を訪れる最後のチャンス
が来たことを感じ
室堂から仙人池までの往復を歩くことを決意した。
雷鳥沢、剣沢、真砂沢、二股、
これまでテントを張りベースキャンプとしたことのある地点を結ぶ山旅である。
一年では無理と判断し二年間かけて体力増強と技術回復を計画し
トレーニング(筋トレ、ランニング)を開始した。
翌年のGWに乗鞍岳にのぼり、
夏の蝶ヶ岳、秋の白馬大雪渓は、悪天候で中断を余儀なくされたものの、
このGW蝶ヶ岳を登った。
剱岳に行くためのステップである。
剣に行くといっても頂上に登るつもりはない、
かって格闘した谷や尾根、岩、雪渓を
ただ眺めたいだけだった。
過去を振り返ることが少ない
私にも、そんな時期が来たようだ。

9月21日信州の奈川を出発
午後8時に扇沢の無料駐車場に着いた時には
数台分の空きスペースしかなかった。
胸を撫で下ろし、車中で一泊。

P1010042室堂地獄谷-s.jpg

扇沢からトロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り継いで
室堂に着くと、休むまもなく雷鳥沢目指して歩き始めます。
みくりが池を過ぎるとすぐに地獄谷
硫黄臭が鼻をつきます。

P1010049雷鳥沢より別山乗越-s.jpg

やがて眼前に現れるのは雷鳥沢キャンプ場と別山尾根

P1010050立山-s.jpg

立山を右手に見ながら別山尾根乗越を目指して歩きます。
楽勝のハズが
意外と”しんどい”
最後は10歩ぐらい歩いては
立ち止まってハーハー
春の蝶ヶ岳登山より
はるかに辛い
室堂からの登山は
スタート地点の標高が高く
高度順応が出来ていないせいか
低力の登山と比べ
辛いのだが
想定以上の辛さ

P1010069別山乗越から剱岳-s.jpg

別山乗越についたのはAM11時
予定通りではあったが
先行きに不安が募る
ここから眺める40年ぶりの剱岳
頂上の眺めより
一つ一つの尾根、谷、岩
に心奪われる
そうだったんだ、
剱岳への想いとは
剣岳の頂にあるのではなく
頂上に至るバリエーションルート、
岩と雪
そこに込められた僕自身の体験
そのものだったんだ。
これまで何故
剱岳に対しては
槍ヶ岳や穂高岳、白馬岳のように単純に感動することはなく
強い複雑な気持ちを持っていた理由がわかったうような気がした。

P1010082剣沢上部-s.jpg

別山乗越で10分休んだ後、剣沢山荘目指して
下り始める
あれ、こんなに下ったっけ
剣沢小屋前に着いた時、不安が心をもたげる
最終日の宿泊についてだ
今日の真砂沢ロッジ、明日の仙人池ヒュッテは予約済みで
最終日は予約のいらない別山御前小屋のつもりだったのだが。
剣沢小屋から御前小屋までの距離と高度差にすっかりおじけづいてしまった。
小屋の前で、妻に作ってもらった弁当を食べると
すぐに最終日の宿泊予約をした。

これま僕は山行で山小屋に泊まったことはほとんどない。
一人で登るときは
ツエルトを持って
歩けるところまで歩いて
適当なところで
ツエルトを被って寝る
というスタイルを取ってきた
小屋泊まりのように
場所を限定されるのは不慣れではあるが
装備の重さを考えると
今の自分には仕方がない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。